助産院出産について

自分達らしい家族の迎え方

病院と助産院では何が違うのか

助産院出産のメリットは妊娠期から共に歩んできた助産師とともに、一番リラックスできる状況でお産に向き合えるということです。
物理的な環境はもちろんのことですが、当たり前のように夫や子供たちがいつものように傍にいてくれて、出産という自然の営みを日常の延長として新しい命を迎え入れることができるのです。
私は性教育の源となるのは“命を知ることで自分自身を大切に思える”ことだと思っています。自分を大切に思える子は他者も大切にできるからです。もし上の子がまだ幼くて、思いが言葉にならず、記憶に残らなかったとしても、きっと感じてくれているはずです。ただ、どの子に対しても立ち会ったほうが良いというわけではなく、きちんとフォローできる大人がそばにいてあげられることが大切です。何より立ち会ってもらうことをご本人が望んでおられることが前提ですが…。
そして、何か異常が起こりそうなときには、連携している病院に移動し医師の診察を受けます。お産は母と子の安全が第一です。産婦人科ガイドラインと助産業務ガイドラインという基準に基づき判断と行動をするので、たくさんのご希望があったとしても、安全を無視したことはできません。お産が進行している時であれば状況に応じて救急車で移動します。『搬送』これは本当に“助産師の判断力”が要求されるところで、移動やその後病院での処置など考えて早めの判断をすることもあります。そのため、私たち助産師はチームを組んで必ず分娩時は複数(基本的に3名)の助産師でお産のお手伝いをします。“助産師としてこう思う”ということはその都度説明しながら、思いをすり合わせながら、皆さんと一緒に進めていきます。

助産院や自宅での妊婦健診について

助産院または自宅出産を選択肢のうちの一つとしてお考えの方は、ご連絡いただけましたらまずはお会いして、お互いの思いを確認し、お産までの流れについてご説明させていただきます。その上で自分がどこを出産場所として選ぶのか、ご家族とよく話し合って決定してください。
助産院または自宅をご希望された場合、だいたいの流れは以下の通りです。
① 説明・問診 → 思いが固まる (ガイドラインに沿って医学的にも問題がないことが前提となります)
② 妊婦健診開始→妊娠24週までは4週間に1回、24~36週までは2週間に1回、36週以降1週間に1回の妊婦健診となりますが、妊娠初期・20週・30週・35週では病院での健診が必要です。里帰りの方でも、当院の連携病院には35週ごろに最低1回は受診しなければなりません。
③ 自宅の場合は36週ごろ分娩に必要な物品をご自宅に搬入し、37週以降の正期産で自宅分娩可能になります。
※自宅出産の場所はマンション等でも可能です。
※立ち合いに関して、体調の良い方であれば特に制限はありません。貴重な時を一緒に過ごしたいと思う方と共に過ごしてください。
【料金】
入院5日間(産後4日目退院)で50~58万円前後となります(出産育児一時金の42万円を含む)
出産日時や分娩経過・使用した薬剤や物品によって料金は変動します。
※当院では出産育児一時金の直接支払制度がご利用いただけます。産科医療補償制度にも加入しています。
産後1か月健康診査料(母子合わせて) 10,000円 、補助券が使用できる市町村もあります。

妊婦健診は助産院やご自宅に伺って赤ちゃんの成長・妊婦さんに異常が起こっていないか診ていきます。基本的には血圧・体重・尿検査・むくみ・お腹周りの大きさ・赤ちゃんの心拍確認を行います。
普段過ごされている家庭の状況で、より健康な身体を維持するために、又は生活の中で改善できる点があるのかどうかご一緒に考え、お話していきます。
【料金】
基本健診6,000円
分娩監視装置装着時 1回1,000円
診療情報提供書 1通1,000円

※市町村の補助券が使用できる場合、上記の6000円から補助額を差し引いた額を健診時にお支払いしていただくことになります。お住まいの地域によっては償還払い(申請した後で料金が返金される)になる場合もありますので、詳しくは市町村にお尋ねください。

病院との連携について

当院は長岡京市内にある京都済生会病院の産婦人科と嘱託医療連携をしています。
出産は正常な妊娠・分娩経過をたどっていても、途中で異常が予測される状態に変化したり、予期せぬ出血などの出来事も起こり得ます。そのため、当院で経過をみている妊婦さんでも『妊娠初期』『妊娠20週ごろ』『妊娠30週ごろ』『妊娠35週ごろ』で済生会京都府病院を受診していただき、胎児超音波検査や採血結果などをふまえ、医師・助産師双方で助産院での管理が可能かどうか確認していきます。例えば“妊娠中期からの転院”などご希望があれば、まずはご相談ください。
分娩異常時の応急処置として点滴や薬剤投与については病院からの指示があり、まずはそれで対応しますが、医師と相談の上必要時には速やかに京都済生会病院へ緊急の転院搬送を行います。

赤ちゃんもお母さんと同じく、何か異常があった場合には京都済生会病院小児科を受診し、必要時は入院(NICU新生児集中治療室もあり)となります。

他、済生会京都府病院が満床などの理由で搬送受け入れ困難な場合「京都府周産期母体(新生児)搬送システム」により、受け入れ可能な病院への転院搬送となります。

京都済生会府病院については www.kyoto.saiseikai.or.jp をご参照ください。

 

 
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